憲法パトリオティズム

 憲法パトリオティズムとは、民主主義国家における愛国心の一形態である。ドイツ人ハバーマス氏が提唱した理念で、「普遍主義的な憲法という規範的価値を媒介にして国家を愛する」というものである。換言すれば、憲法の授権規範性を介して愛する、つまり、国家=政府を愛するのではない、という事です。

 ハバーマス氏は、いくつかの条件も提示している。

・歴史的相関から会得されるべきであり、文化的(知の集積であり、保守的価値観である)な生活形式に根付く。
・愛国心は、民主主義を自らの手で勝ち得た事の無い国は異なる。つまり、フランス革命やドイツ革命の国と「恩寵の民権の明治国家(大正デモクラシーの存在は認めるが、軍部による弾圧に屈した)」「敗戦民主主義」の日本とは別である。
・負の歴史に率直に対峙し、自己批判を通じてのみ「伝統」を得られる。 参照:民主主義と伝統 2007年05月06日(Sun)

 上述のエントリーでも指摘したが、欧米諸国の猿真似ではダメなのである。日本人自らが、日本の伝統・文化・風土という知的集積に向き合い、その上に更なる知的集積を繰り返した結果得られるのである。民度の問題とは、まさにこの点である。

 日本政府という国を愛する事が、愛国心や国益になるのか、それには多くの人が疑問を呈するであろう。徳富蘆花先生は、「謀反は恐れてはならぬ。自ら謀反人となるを恐れてはならぬ。新しいものは常に謀反である」と仰られた。新しいもの、既成概念を打破するもの、それは全て謀反である。明治維新という歴史がそれを示しているではないか。

 とまれ、このような条件付「愛」国心と無条件の「慈悲」の精神、それらを兼ね合わせた時、世界に尊敬されるであろう。「慈悲」の心で活躍した日本人は、諸外国でも高い評価をされている、「肥沼信次氏」「杉原地畝氏」・・・・そして、憲法で大切なのは、条文ではなくその効力である。



コメント

憲法を介して愛するとは面白い思想ですね。
戦後ドイツの反省がわかります。
やはり、謝罪だけではなく、行動で示すのは重要ですね。

日本の左派にこういう思想がないのは残念です。

こんばんは

本当に反省したならば、
その後、何らかの形になるでしょう。
日本とナチスドイツは違いはありますが、
日本とドイツの差はそこにあります。

欧米視察をする議員団は、何をしてきているのかな。
こういう視点で憲法改正を考えるとか出来ないのか。
悲しいかな、知性の差を感じてしまいます。

TB代わりに・・・

四季桜さん、こんにちは。
このところ「FC2」利用の方にトラックバックが送れませんので、コメント欄TB(?)で失礼します・・・。

「佐藤優さんの護憲論2」
http://kihachin.net/klog/archives/2007/04/satougoken2.html

コメントありがとうございます

こんばんは。

やはり、私は改憲論者です。
どうしても、授権規範性を考慮すると、
違憲合法状態の容認は出来ません。

平和主義、防衛権、皇室を考慮して、
改憲の議論をするべきだと確信しています。
佐藤優氏の護憲論は、将来的に改憲可能であり、
四季桜のような改憲制限と憲法裁判所設置を含む改憲案
と比較したらかなり甘いと思います。

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